未必の恋-Dolus Eventualis-
――この恋が罪だということは、わかっていたけれど
STORY
Dolus Eventualis(ドルス・イヴェンチュアリス)とは、法用語で「未必の故意」。”不確実ではあるが、結果的に犯罪行為になってもいとわない”として犯行に及ぶ際の容疑者の心理状態を指す。転じて「未必の恋」は、相手が恋に落ちるかもしれないと想定していながらそれを認容し及ぶ性的誘惑、またその行為によって生じた恋心を指す造語。
本作で描かれるのは、ある男の巧妙な罠によってその手中に落ちた少女のジレンマ。
彼の職業は奇術師――少女はその真意を知る由もなく、初めての痛みを甘受するのだった……
RELATED CHARACTER – 登場人物
LYRICS
そんな風に 求められたら
狂い出す秒針 知っていたくせに
全部君の”遊戯”の一部だなんて
今更 気づいても遅い
シアトリック 悪魔のように
眩む迷路
あれから 抜け出せないの
“Agentes et consentientes pari poena plectuntur.”
――行為者と同意者は、同じ刑に服す
いけないこと だけど
わかってる
だから・・・
「痛くてもいい」
ねぇ 壊して “eques”――
割れたチェスボードの上で
踊る夢をみてる
忘れさせてよ
罪が溶け合う
甘い剣撫[knife]で
なぜ
秘めたエスコートの
舌先に絡ませ伝う 君の想いが
今も胸を締め衝ける
恋は-non liquet-
そのトリック 運命のようで
ミスディレクション
いつから仕組まれていた?
“Consentire videtur, qui longo tempore patitur. “
――長期間甘受せし者は、同意したとみなされる。
故意を疑わず
受け入れた罰ね
「君が 初めてだった」
ねぇ、応えて regulus-
感じる マスカレード
抱き寄せそっと囁く声を
思い出してしまう
君の哀しい瞳に囚われて
まだ 信じる エスカレート
縋り寄せるシャツの背中
重ねる吐息で 崩れてく
許してequesー
割れたチェスボードの上で
泣いて夢から醒めた
忘れたくない
ふたり解け逢う甘い愛撫は
そう、内緒のアジテーション
今までずっと言えずにいた
秘密の恋が
君とこの手 繋いでる
ANNOTATION
non liquet
In law, a non liquet is a situation where there is no applicable law.
Non liquet translates into English from Latin as “it is not clear.”
真偽不明であることを示す法用語。裁判をするにあたり、裁判官がある事実の有無に確信を抱けない状態であること。
eques
Knight,a piece in the game of chess
騎士、チェスの駒のひとつ、少女を救った青年の比喩
regulus
Prince,Calling for her secret crush
王子様 少女の片想いの相手への呼びかけ